原口クリニックは山梨県甲斐市の 内科 糖尿病 透析 腎臓内科 甲状腺 巻き爪 の専門病院です。

原口内科・腎クリニック

  院内だより

 

創刊号 平成7年2月

糖尿病と食欲

 寒い日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしですか?体調を整えて冬を乗り切りましょう。
 僕が厚生連管理センターで金曜日に糖尿病専門外来を始めさせてもらって以来、4月でまる3年になります。その間、“注意深い患者は不注意な医者に優る”という言葉を胸に、自戒を込めつつ患者の皆さんからいろいろな訴えを聞いてきました。決して教科書に書いていないような糖尿病に関する貴重な話も多く聞くことができました。次回からの紙面で折々紹介していきたいと思います。 さて記念すべき第1回の話題は、やはり皆さんが最もてこずっているもの、すなわち“食欲”についてです。
 阪神大震災の報道を見ていて、命の助かった人々がまず第一に欲したものは、フトンでも、暖房でもなくまず、食物と水でした。この飽食といわれる日本にあって飢餓が我々で目の前に起きようとは考えてもみませんでした。しかし、糖尿病の患者さんも、ありあまる食物に比べて自分の許されたカロリーはあまりに少なく、いつも飢餓感があるのではないでしょうか?こんなに我慢をするぐらいなら病気はどうなってもいいと思ったことはありませんか?しかし、糖尿病の悪化に伴う眼底出血や、腎不全の発症に際し、“病気はこんなに重くなったけど、今まで思いきり美食ができて幸せだった”という患者さんは一人もいませんでした。

 食欲に関するいくつかのアドバイスをしてみたいと思います。

(1) 強すぎる食欲は病気の現れ

肥満型の初期の糖尿病の患者さんは、血液の中のインスリンが高すぎる状態にあることがあり、食欲が異常に強くなることがあります。「この食欲は糖尿病という悪魔のささやき」と思えば、意外と切り抜けられるものです。

(2) 朝食はしっかり食べる

ビジネスマンの方で朝食を食べない方もいます。当然、昼食前に食欲が強くなりついつい過食となります。ダイエットのつもりで、朝食を抜いても、かえって脂肪のつき易い間違った食事療法です。

(3) よく噛んで食べましょう

人間の食欲は頭で感じているのです。よく噛んでゆっくり食べて、頭の中の満腹中枢を充分刺激してやりましょう。よく噛むには丈夫な歯が必要です。 糖尿病の人は虫歯や歯槽膿漏が正常の人の2倍程度あります。歯の手入れも入念に。

(4) 最高のおかずは楽しい会話

どんなに高級な料理も、とげとげしい雰囲気の中で食べるとおいしいはずはありません。逆に粗末な食事でも楽しくリラックスして食べられたら、どんなにおいしく満腹感がえられることでしょう。さあテレビを消して、あなたが一緒に食事をする人と向かい合ってみましょう。そして、会話をおかずにして食事のできる精神的余裕は、血糖を安定させる大事な働きをします。

(5) 余分に食べたら余分に動こう

余分に食べてしまったらその分動きましょう。どんな運動がいいのでしょう?いろんな本がでています。いろんな方法があります。脈拍数を数える方法、万歩計を使った方法、カロリー換算をする方法など。中高年の方には1週間に20km歩くというのもわかりやすくていい方法です。

(6) 栄養士さん、看護婦さんに相談してください

医療スタッフに気軽に声をかけてください。カロリーの少ないお菓子の作り方を教わってください。自分が飲んでもかまわないアルコールの量を聞いてください、一般には30gが目安です。「焼酎なら大丈夫」なんて間違ったことを鵜呑みにしている人はいませんか?
 以上、思いつくままに書いてみましたが、次号からはもう少し焦点を絞って糖尿病に関するいろいろな側面をわかりやすく解説していきます。
 治療を始めながらも面倒くさくなって途中で放り投げてしまっている方も億劫がらずに、また、健康管理センターに足を運んでください。

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